| ことばの間 |  |
| ことばの間 | |
| 秋の |
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天に光在り |
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| 秋 |
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キリリと白く 朝は晴れ
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| 老いた銀杏 |
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耕地の神社の両脇には、サンクチュアリの忠実な番兵である一対の銀杏の大木があり、そこから二、三〇〇メートル入った裏山には、彼等の乳母ともいうべき、老いた銀杏が隠れ棲んでいる。 秋ともなると、あたり一面、黄金が敷き詰められ、豪華なステージが出現する。 撒かれた小判は、 小道や沢をも埋めつくし、暗くぬめった水面が、思わぬとろこから遠慮がち顔を覗かせる。 |
| 陽光を浴び、 黄金の舞台に立つ老樹は、全身を浮かび上がらせる。 それは 暗く、捩じれ、波打ち、神寂びている。 根元からは、十重二十重と子孫が増殖し、 一族で故郷の天へと向っている。 村の裏山で、荘厳なゴシック寺院に出会うとは ！ いや、大伽藍の方こそ、この気高さを 模写したいと願った人々によって創られた、代用品なのだ。 精神の気高さを伝えてくれたのは、キリストではない。 古 の秋の夕暮れ、一本の老銀杏から、 一人の初老の職人に、それは密やかに口授され、 たちまち職人仲間に広まり、ゴシック様式と呼ばれる、 目に見える形となって、僕たちに伝えられたのだ。 と、見上げると。 ふわ 〜り、 ふわ 〜り、 ふわ 〜り、 黄色い蝶のような木の葉が、ゆっくり ゆっくり、 楽しみながら 舞い下りてくる。 空間は喜びで満ちていることを、僕たちに教えたいのだ。 |
| 後から、 |
| 後から、 |
| ……限りなく …… |
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